フーコーさんのお導きで10月へ。

フーコーの後で―統治性・セキュリティ・闘争

フーコーの後で―統治性・セキュリティ・闘争

おもろかったです。フーコーさんは規律訓練が取り上げられることが多くて、結局、どこでもついてまわる権力からは逃れられへん、というように捉えられがちですが、他でもない、そのフーコーさんが、実は政治的な契機を準備してくれてる、そんなような感じです。

ただし、編者の芹沢氏の論文はちょっと?な気がします。これまでの著書と言っていることが同じだし、別にフーコーさんを経由しなくてもいいし(したとしても『監獄の誕生』以前の、ありふれたフーコーさんだろうし)、新たな管理権力に支配されている、みたいなのはフーコーさんからの後退なのでは(アガンベンさんと同じ意味で。やられている/いたことを契機にした、トラウマの政治、みたいな)。

その点が少し残念でしたが、ちくまさんから一括で出版が行われている中で、こういう本が出てくることはとても意義深いことは確かだと思います。