失われたイレブン〜入院生活の最後の前に〜


承前


オシムさんの教え子たちの勇姿を見に行った話は既に書いたとおりです。


そこには確かにオシムさんの姿がましまじとありました。


もちろん、オシムさんはもうこのチームの指導者ではありません(息子さんが引き継いでるけど)。


それでもオシムさんの姿を認めるのには十分すぎました。


フィールドにいる黄色いイレブンの向こうに、限界まで考えを巡らせ、走りまくる選手一人一人の中に、オシムさんの姿はありました。


そして黄色いイレブンのはるか彼方には、あの失われたイレブンが、


冷戦の終わりと新しい世界の流れね中で翻弄され、引き裂かれ、幻と消えてしまったあのイレブンが。


ウイングのピッチの上には、あのブラーヴィが・・・。


猫の額ほどの平地しかなくとも、この神戸からは広い世界が、限りない未来が、果てしない過去が、見果てぬ希望が、得もしれぬ悲しみが、


すべてが見えるようです。俺はまだ見えないものをここから/で探してみようと思います。


ここはええとこだよ、ほんまに。


ほんのわずかな時間やけど、見に行けてよかった。


ひょんなことだけど、偶然のきっかけを与えてくれたどなたかに感謝。


ありがとう。Mami。