ピクシーがやってきた!!!―ナビスコ杯 第2節 楽天 vs 名古屋グランパス―
ナビスコ杯第2戦@ホームズスタジアム神戸
神戸 0-1 名古屋
Goal: 40`巻(名古屋)
Squad:
神戸:榎本達也、北本久仁衛、河本裕之(⇒小林久晃)、内山俊彦、石櫃洋祐、栗原圭介(⇒朴康造)、 ボッティ、古賀誠史、松岡亮輔、レアンドロ、須藤大輔(⇒吉田孝行)
名古屋:西村弘司、三木隆司、阿部翔平、竹内彬、マギヌン、藤田俊哉(⇒小川佳純)、深井正樹(⇒津田知宏)、杉本恵太(⇒増川隆洋)、巻佑樹)
SHOOT
神戸:13
名古屋:12GK
神戸:8
名古屋:10CK
神戸 :7
名古屋:1DFK
神戸:16
名古屋:18IFK
神戸:5
名古屋:1KEEP(%)
神戸:49
名古屋: 51
グランパスのメンバーは、ベテランの藤田を除いて全員が20代。巻の1トップで1-4-2-3-1。立ち上がりは慎重な感じが見受けられけどが、ボールを確保すると素早く攻撃に切り替え、どんどんと何本もパスをつなげて相手を崩していきたいという意図が明確に見て取れた。
ただ、前半は慎重になりすぎた感。特に動き出しが遅い感じで、両サイドに張ってボールをもらう深井と杉本のところで攻撃がとまってしまったり、同じサイドだけでボールをつなぎ続けたまま前に攻め進んで攻撃が薄っぺらくなってしまうという場面が多く見られた。
神戸は主に、前2人を残して引いて守り、ロングボールを放り込んでのカウンター狙い。レアンドロとボッティのキープ力を多用する感。前半は無理に前へボールを運ぼうとして、楽天の守備に引っかかり、度々カウンターを仕掛けられるも、素早い切り替えと厳しい守備でこれをしのぐ。
そんな中、グランパスがペースをつかむきっかけになっていたのが、相手に対する速く厳しいプレス。前線から数的優位を作ろうとする積極的な守備がグランパスをチーム全体を活性化させ、調子をどんどん上げていく。
それはもう、絶対に相手にボールを持たせたくないのではないかと思えるほどの激しさ。プレスではなくチャージかタックルという方がふさわしいほど。
相手がボールを確保した途端に、そこでボールを奪ってやるとばかりに激しいプレス。そこでボールを奪えなくても、プレーが遅れたボール保持者を2人3人で取り囲んではボールを奪う。守備で作られた数的優位は即座に、攻撃面での数的優位になり、すぐさま素早く何本もパスがつながっていく。
そのスピード感に満ち溢れた攻撃には、マギヌンの巧みなキープと意表をついた突破や、藤田のベテランらしい視野の広いパスワークなどの効果的なプレーが、アクセントとして加えられる。中盤を縦横無尽に動き回る山口の存在も見逃せない。ボールは広く、グランパスの選手の間で移動し続け、容易に捕らえることができない。
ますますグランパスの攻撃が加速する。深井と杉本のプレーのバリエーションも豊富になり、彼ら自身がフリーで突破にかかり、シュートを打っていったり、あるいはサイドバックが積極的に攻撃参加したりと、とにかく攻撃が止まらない。守備すらも攻撃の一環なのではないかと思えるほどの波状攻撃。
どこのトータルフットボールやねんと(笑)。
もちろん、若鯱軍団ゆえのつたなさも、ちょこちょこと。
セットプレーでマークを簡単に外したり、無理にボールを奪おうとして、プレスをあっさりかわされたり、守備の連携のミスや、とんでもないパスミスで楽天にチャンスを献上したり、もう冷や冷やもの。あと、なかなかシュートを打てなかったり、決めきれなかったり、まるで調子が悪いときのどこかのガナーズと同じように(笑)。でもむしろ、とても親しみが持てた(笑)。むしろ試合を楽しく、見せようとしているのではないかとw。
後半に入ると、動き出しがますます速くなり、ボールを保持し続けようとプレスはますます厳しくなり、ボールの運び方はますます広くなり…etc、まるで、神戸の戦意そのものを殺ぐようなプレーの連続。巻の突貫ぶりとすさまじい馬力に思わず相手が熱くなってしまったり、厳しすぎるほどのプレスの連続と主審のあたふたぶりでピッチ上に険悪なムードが漂ってしまったり…、いったいどちらがホームなんやと(笑)。
そして、右サイドでポゼッション重視の攻撃が、左では縦へのスピードを活かした攻撃が展開される中で、 右 左サイドからのクロスに巻が合わせて決勝点。やっと決めてくれたよ(笑)。若鯱たちの運動量とスピードに、神戸の選手がだんだんついていけなくなった、そんな中での得点だった。
そのままタイムアップ。パワープレーをしようにも、既に神戸の選手たちは落ち着きと気力を欠いていた。ほぼ危ないところなく守りきり、そんまま終了。0−1。
点はあまり入らなかったけれど、本当に良い試合だった。見に行ってよかったし、また見に行きたい、そう思える内容だった。