「1-0、楽天の勝ち(笑)」―かみ合わない敗者、志の低すぎる勝者。

昔、アーセナルにヴェンゲルが来る前によく度々新聞の紙面を賑わしたのが、"Arsenal, 1-0"。要は、「1−0、アーセナルの勝ち(笑)」みたいな。全員が後ろへ引いて、退屈で、魅力のない、つまらんサッカーをしないアーセナルを揶揄してのもの。

ナビスコ杯第1戦 埼玉スタジアム2002
浦和 0-1 神戸
Goal: 2`レアンドロ


GK:6-11


CK:8-4


DFK:22-14


IFK:4-2


PK:0-0


KEEP(%):62-38

「1-0、楽天の勝ち(笑)」。

手負いでズタボロの浦和相手にすら自分のサッカーをしようとしない楽天。そんなものはそもそもないから仕方がないけれど。自分たちで積極的、主体的なサッカーをすることを放棄するという楽天の体質は、ずっと変わらない。それを徹底した結果として、現在のチーム状況があり、今日のような結果になっている。

たぶん、このチームの「規律」とは、チームのために個人が最大限に力を発揮するということではなくて、ただ単に、引いて守って「突出しない」という極めて矮小で幼稚なものでしかないのだろう。勝ちたいというよりも、ミスが怖い、相手が怖いというネガティブな態度の蔓延。後ろで縮こまらせ、運動量を最小限に切り詰める選手たち。

シーズンの序盤で、まだチームの形が出来上がっていない相手と戦うのならば、まだ結果はついてくるかもしれない。引いて何もしないという極めて安直で、安易で、消極的で、簡単にできてしまうやり方でチーム作りは済んでいるし。

しかし、各チームのサッカーが軌道に乗り始めたとき、あるいは試合を重ねて状況が苦しくなっていくとき、おそらく、このチームは勝てなくなるはず。もし、自分たちのサッカーに自信を得て、必死で勝ちにくるチームに出会うことがあれば、このチームはズタズタにされるだろう。そうなった時に、選手たちが自信を取り戻せるようなサッカーは、もうそこにはない。そもそもなかったのだから。