パッチギ!雑感。

昨日も書いたけど、エンターテイメント映画、青春ピカレスク映画としては非常によく考えて、丁寧に作り込まれた映画だと思う。


喜怒哀楽がしっかり備わっていて、恋愛、友情、(大人や社会との)葛藤、挫折といった要素が漏れることなく描き出される。大仰な感動の押し売りではなくて、何気ない日常からグッとくるクライマックスを持ってくるあたりは絶妙の一句に尽きる。


ストレートに「おもろい」、「しょーもない(笑)」、「懐かしい」、「むなしい」、「もの悲しい」という感情を露わにしたくなる映画だし、そうしてもよいと思う。


ただ驚くべきは(と言ってもなかば折り込み済みかもしれないけど)、そういうエンターテイメントとして見れない、見ない、見たくない人が目につき、なおかつ、それを声高かつ自慢げに表明したがる人が結構いること。


そしてその姿があまりに無様で滑稽なこと。


そのイタい姿はもはやパッチギ!にとってもネタの域に達している。


金本や桧山のいない阪神


炭酸のないコーラ。


バイオレンスのない仁義なき戦い


頭突きをしないジダン


そんなもの探してもあるわけがないし、あったとしても退屈極まりないだろう。


でもそれを荒唐無稽を欲しがっている人もいる。


もう笑うほかに何があんねん。


だからパッチギ!はおもろいんやと思うが、さていかに。